マイナポータル連携

公開日 2020.9.25 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)

マイナポータル連携(まいなぽーたるれんけい)

 従業員が年末調整申告書のデータを作成するときに、保険料控除などで使用する控除証明書等のデータをマイナポータル(政府が運営するオンラインサービス)から自動取得する機能。
 所得税の生命保険料控除を受ける場合、複数の保険会社と契約している者は、それぞれの保険会社から控除証明書を受領していたが、マイナポータル連携を使えば、複数の保険の控除証明書等データをまとめて自動取得することが可能となる。また、国税庁が提供する「年調ソフト」を利用すれば、取得した控除証明書等データの内容を年末調整申告書に自動入力することもできる。

 年末調整に当たってマイナポータル連携を利用するためには、従業員がマイナンバーカードを取得し、マイナポータルを開設していること、契約先の保険会社等とマイナポータルを連携させる作業を済ませておくなどの事前準備が必要となる。また、年調ソフトでマイナポータル連携によりデータを自動取得するためには、作業用の機器として、①パソコンとマイナンバーカードの読み取りが可能なICカードリーダライタ、②マイナンバーカードの読み取りが可能なスマートフォンのいずれかが必要となる。①の機器での作業手順は次のとおりである(②の場合は、スマートフォン版の年調ソフトを使用)。

(1)年調ソフトを起動し、自分の氏名、住所などを入力する。

(2)画面内の「証明書電子データ一括インポート」ボタンを押す。

(3)マイナポータルへの認証画面が表示されるため、ICカードリーダライタにマイナンバーカードをセットし、暗証番号を入力する。

(4)画面の案内に従い、表示された一覧から必要な電子データを選択すれば、控除証明書等データが年調ソフトに自動入力される。

 なお、自社の給与計算システムなどでマイナポータル連携を行うためには、自社システムなどから、国税庁の「マイナポータル等連携プラットフォーム(マイナポータルに集約された情報のうち、税の申告に必要となるものを抽出した部分)」に接続する機能を設けることが必要となる。