鳥取大のアカハラ処分無効 二審で50代教授逆転勝訴

 

 学生にアカデミックハラスメントをしたとして鳥取大から停職1カ月の懲戒処分を受けた工学研究科の50代男性教授が、鳥取大に処分の無効確認や、停職中の給与支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、広島高裁松江支部(金子直史裁判長)は2日までに「合理的な理由を欠く」として処分を無効とし、約55万円の支払いを命じた。

 判決は8月31日付。今年2月の一審松江地裁判決は、教授側の請求を棄却していた。

 判決などによると、教授は2015年7月、工学部4年だった男子学生の就職活動で、入社希望の企業の採用試験に必要な推薦書の作成を拒否し、進路選択の権利を侵害したとして、17年3月に懲戒処分を受けた。

 金子裁判長は作成拒否行為について「大学院への進学を説得する手段だった」と指摘。「自己の利益のみを目的としたものではなく、悪質とは言えない。(停職という)重い処分を選ぶ合理性は認められない」とした。

 鳥取大は「主張が認められず遺憾。判決内容を精査した上で対応を検討したい」とコメントした。

(共同通信社)