公開日 2020.7.22 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)
労使コミュニケーション調査(ろうしこみゅにけーしょんちょうさ)
労使間で意思疎通を図るためにとられている方法やその運用状況、事業所側および労働者の意識などの実態を明らかにすることを目的として、厚生労働省が5年ごとに実施している調査。調査対象は、常用労働者30人以上を雇用する民営事業所から、産業、事業所規模別に層化して無作為に抽出した約5500事業所および約6400人の労働者。
調査項目は、次のとおり。
【事業所調査】
(1)事業所の属性に関する事項
(2)労使コミュニケーション全般に関する事項
(3)労使協議機関に関する事項
(4)職場懇談会に関する事項
(5)苦情処理に関する事項
(6)外部の機関等の利用に関する事項
(7)労使関係についての認識
【労働者調査】
(1)個人の属性に関する事項
(2)労使コミュニケーション全般に関する事項
(3)労働組合に関する意識
(4)労使協議機関に関する事項
(5)個人の処遇等に関する事項
「令和元年(2019年)労使コミュニケーション調査」によれば、事業所調査では、労使関係が「安定的」と認識している事業所の割合は81.9%で、前回調査(2014年)よりも5.0ポイント低下した一方、労働者調査では、労使コミュニケーションが「良い」と認識している労働者が60.5%となり、前回調査よりも5.2ポイント増加した。
また、労使コミュニケーションで重視する内容(複数回答)では、事業所調査では、「日常業務改善」(75.3%)や「作業環境改善」(72.9%)、「職場の人間関係」(69.5%)が多いのに対し、労働者調査は、「職場の人間関係」(66.2%)、「日常業務改善」(57.7%)、「賃金、労働時間等労働条件」(53.0%)が多くなっており、労使間の意識の違いが明らかになっている。