元証券会社社員の請求棄却 育休後の休職命令巡り


 大手証券会社の三菱UFJモルガン・スタンレー証券の元社員でカナダ人のグレン・ウッドさん(50)が、育児休業を取得後に従来の仕事を外され、うつ病にかかったことを理由に休職を命じられたのは不当だとして、未払い賃金や慰謝料を求めた訴訟の判決で、東京地裁は3日、請求を棄却した。
 佐久間健吉裁判長は、育休取得をきっかけに仕事を外されたとする主張に対し「そのような事実は認められない」と指摘。うつ病発症後、他の仕事を提案したが、ウッドさんが断ったとした上で「従来の職務を行える健康状態にあったとは言えない」と判断した。
 判決によると、ウッドさんは2015年に子どもが生まれ、育休取得。復帰後にうつ病を発症し、同社は17年10月に休職命令を出した。
 判決後の記者会見でウッドさんは「非常に残念だ。私たちには、キャリアを持ちながら子どもを育てていく権利がある」と話した。
(共同通信社)