新型コロナウイルスの感染拡大に備える改正新型インフルエンザ等対策特別措置法が13日、参院本会議で可決、成立した。14日にも施行される。全国的かつ急速なまん延で、国民生活や経済に甚大な影響を及ぼすと首相が判断すれば緊急事態宣言を出し、都道府県知事が外出自粛や休校措置を要請できる。国民の私権制限につながる可能性に懸念も指摘されている。
改正特措法は2013年施行の特措法の適用対象に新型コロナウイルス感染症を暫定的に追加する内容。期間は施行日から2年を経過する日までの間となる。政府は政令で1年間と定める見通しだ。
緊急事態が宣言されれば(1)興行施設の利用制限の要請・指示(2)土地や建物を臨時医療施設に強制使用(3)緊急物資の輸送の要請・指示-も可能となる。生活関連物資の価格安定措置を促す規定や、ワクチンが開発された場合に公費負担による予防接種の仕組みもある。
安倍晋三首相は9日の国会審議で、現状での宣言に慎重姿勢を示している。政府は世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染症を「パンデミック(世界的大流行)」と表明した後も発令する状況にないとの立場を維持している。
与野党は付帯決議に、緊急事態を宣言する場合は原則として国会へ事前報告するとの項目を盛り込んだ。
(共同通信社)