公開日 2020.1.14 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)
就労パスポート(しゅうろうぱすぽーと)
障害者が、就職や職場定着に向けて、働く上での自分の特徴、アピールポイントおよび希望する配慮などを整理して、事業主などに伝えるための書式。通常は、障害者が、就労支援機関と一緒に作成し、事業主や上司と必要な支援などについて話し合う際に活用する。
就労パスポートの活用には、次のようなメリットがある。
(1)障害者が自分の特徴を的確に理解することができる。それを事業主などに伝えることにより、就労に当たり必要な支援を受けやすくなる。
(2)事業主は、採用選考や就職に当たり、障害者の特徴や必要な支援などを的確に把握することができる。就職後も職場環境を整備することにより、障害者の職場定着を促すことができる。
就労パスポートは、4ページで構成されており、各ページには次の項目を記載するようになっている。
1ページ目:職務経験、仕事上のアピールポイント、体調管理と希望する働き方(ストレス・疲労、通院のための休暇、服薬管理のための配慮)
2ページ目:希望する働き方(勤務時間、作業環境、業務量や作業内容・方法などの調整など)、コミュニケーション面
3ページ目:作業遂行面①(指示内容などの理解、優先順位づけ・予定変更への対応、正確さ・作業ペース)
4ページ目:作業遂行面②(安定した作業の実施、作業に伴う質問・報告、他者との共同作業など)、結果の振り返り・目標設定、就職後の自己チェックなど
なお、就労パスポートは、採用選考時の必須提出書類でなく、その作成や活用は、障害者本人の意向によらなければならない。障害者を雇用しようとしている事業主は、採用の可否判断のために就労パスポートの作成・提示を強制することはできず、また、就労パスポートを所持していないから、あるいは就労パスポートに記載されている情報量が多い(少ない)からといって採用選考において不利に取り扱うこともできない。
厚生労働省では、ホームページに専用のWEBサイト『就労パスポート』を設けて、就労パスポートの様式、活用の手引き、活用ガイドライン(支援機関向け・事業主向け)などの各種情報を提供している。