公開日 2018.5.16 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)
年齢にかかわりない転職・再就職者の受入れ促進のための指針(ねんれいにかかわりないてんしょく・さいしゅうしょくしゃのうけいれそくしんのためのししん)
「働き方改革実行計画」(2017年3月28日働き方改革実現会議決定)を受けて、年齢にかかわりない転職・再就職者の受入れ促進のため、企業および国が取り組むことが望ましい基本となるべき事項などを示した指針。厚生労働省が2018年3月30日に公表した。
選考・採用機会が拡大し、職業キャリアの各場面におけるマッチングの精度が向上すれば、企業には、高度な専門性や多様な経験を持つ人材の迅速な確保により、生産性の向上やイノベーション創出が可能になるというメリットが、一方、労働者には、産業・事業構造の急激な変化や一人ひとりのライフスタイルに対応した、多様で良質な就業機会を得ることができるというメリットが、それぞれ生じるものと考えられる。
このような考え方の下、この指針では、企業および国が取り組む基本となるべき事項として、次の点を定めている。
(1)企業が取り組むべき事項
① 募集・採用に関する取り組み
・必要とする職業能力等の明確化および職場情報等の積極的な提供
・職務経験により培われる職務遂行能力の適正な評価
・元の業種・職種にかかわらない採用
・必要とする職業能力等を持つ人材の柔軟な採用
② 入社後の活躍支援に関する取り組み
・公平かつ柔軟な処遇
・早期定着に向けた支援
・平素からの従業員に求める役割の明確化および職業能力の継続的な把握
③ 専門性等を有する従業員の活躍促進に関する取り組み
・専門性の高い従業員の活躍機会の拡大
・従業員の主体的(自律的)・継続的なキャリア形成の促進
(2)国が取り組むべき事項
① 転職・再就職者の受入れ促進のための機運の醸成、情報発信等の取り組み
・転職・再就職者の受入れ促進のための機運の醸成
・転職市場に関する情報発信、職場情報の見える化の促進
② 円滑な転職・再就職、中途採用の促進に関する取り組み
・一人ひとりのニーズに応じたマッチングの推進
・労働者の専門性や職務遂行能力等の見える化
・中高年齢者等の中途採用拡大に取り組む企業に対する助成等
③ 職業能力開発の促進に関する取り組み
実効性のある学び直しに向けた公的職業訓練や教育訓練給付による支援や受講環境の整備の促進