キャリア教育コーディネーター

公開日 2018.3.26 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)

キャリア教育コーディネーター(きゃりあきょういくこーでぃねーたー)

 学校と地域社会が持つ教育資源とを結びつけ、児童・生徒などの多様な能力を活用する場を提供することを通じ、キャリア教育(児童・生徒などが勤労観や職業観を自ら確立することを目指し、学校と地域社会が一体となって、社会的・職業的自立に向けた力を育む教育)の支援を行う専門的人材。
 ニート、フリーターの増加や新規学卒者の早期離職傾向などが社会問題化する中、教育機関から社会・職業への円滑な移行を促し、児童・生徒などに早い段階から「キャリア教育」を実施する人材が必要とされた。このような社会的ニーズを受けて、経済産業省では、2005年度から3年間、産学双方の事情に精通した地域の教育支援団体などを、学校と企業との仲介役となる「コーディネーター」として支援し、2008年度からは「キャリア教育民間コーディネーター育成・評価システム開発事業」を実施して、2010年3月に「キャリア教育コーディネーター育成ガイドライン」を公表した。
 このガイドラインでは、キャリア教育コーディネーターの業務内容として、次のものを挙げている。
 ①学校ニーズの把握
 ②キャリア教育に必要な地域資源の把握
 ③キャリア教育プログラム案の開発
 ④キャリア教育プログラム案の提案
 ⑤学校や児童・生徒等の実態に即したキャリア教育プログラム案への改良
 ⑥キャリア教育プログラムの実施に当たっての学校との調整
 ⑦キャリア教育プログラムの実施に当たっての教育支援人材*2との調整
 ⑧キャリア教育プログラム実施までのその他の調整と進行管理
 ⑨キャリア教育プログラム実施当日の支援
 ⑩キャリア教育プログラムの効果測定
 ⑪キャリア教育プログラム実施後の振り返り・フォローアップ
 ⑫実施記録・報告書等のまとめ

 2011年には、一般社団法人キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会による資格認定制度が制定されたが、この資格の認知度は高いとは言えず、認定キャリア教育コーディネーターの数は、2017年8月現在で312名にとどまっている。