募集情報等提供事業

公開日 2017.9.14 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)

募集情報等提供事業(ぼしゅうじょうほうとうていきょうじぎょう)

 労働者の募集を行う者(求人者)もしくは募集受託者の依頼を受け、当該募集に関する情報を労働者となろうとする者(求職者)に提供することを事業として行うこと。または、労働者になろうとする者の依頼を受け、当該者に関する情報を労働者の募集を行う者もしくは募集受託者に提供することを事業として行うこと。求人情報サイトの運営や求人情報誌の刊行などが、これに該当する。
 募集情報等提供事業であっても、次のいずれかに該当する行為を事業として行う場合は、職業紹介事業の許可等が必要である。

(1)提供される求職者に関する情報もしくは求人に関する情報の内容または提供相手について、あらかじめ明示的に設定された客観的な条件に基づくことなく当該者の判断により選別または加工を行うこと

(2)当該者から、求職者に対する求人に関する情報に係る連絡または求人者に対する求職者に関する情報に係る連絡を行うこと

(3)求職者と求人者との間の意思疎通を当該者を介して中継する場合に、当該意思疎通の内容に加工を行うこと

 なお、宣伝広告の内容、求人者または求職者との間の契約内容等から判断して、求人者に求職者を、もしくは求職者に求人者をあっせんする行為を事業として行うものであり、募集情報等提供事業はその一部として行われているものである場合も、全体として職業紹介事業に該当するものとされ、職業紹介事業の許可等が必要である。

 募集情報等提供事業は、インターネットの普及により2000年代に入ってから急速に広まったが、法による規制が未整備であったため、適正性を欠く募集情報を発信する事業者も存在した。そこで、2017年3月31日に成立した「雇用保険法等の一部を改正する法律」では、募集情報の適正化等のために講ずべき措置を指針(大臣告示)で定めること、および厚生労働大臣等が募集情報等提供事業者に対して指導・助言や報告徴収を行えるように職業安定法等の規定を整備することが定められ、募集情報等提供事業者に対する指導監督が強化された(2018年1月1日より施行される)。