働き方改革実行計画

公開日 2017.4.24 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)

働き方改革実行計画(はたらきかたかいかくじっこうけいかく)

 第3次安倍晋三第2次改造内閣下の「働き方改革実現会議」が、2017年3月28日に決定した、日本型雇用慣行の全般的な見直しを盛り込んだ計画。長時間労働の是正、非正規雇用労働者の処遇改善、賃金引上げなどに対するこれまでの取り組みの成果や議論の内容が整理され、また、テレワーク、勤務間インターバル制度などの導入支援や女性、若者、障害者、高齢者、外国人などの就業支援に関する今後の方向性が示されている。政府は、この計画に盛り込まれた対応策の関連法改正案を国会に提出し、19年度から順次施行していくことを目指している。
 本計画の項目は、次のとおりである。
(1)働く人の視点に立った働き方改革の意義
(2)同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善
(3)賃金引上げと労働生産性向上
(4)罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是正
(5)柔軟な働き方がしやすい環境整備
(6)女性・若者の人材育成など活躍しやすい環境整備
(7)病気の治療と仕事の両立
(8)子育て・介護等と仕事の両立、障害者の就労
(9)雇用吸収力、付加価値の高い産業への転職・再就職支援
(10)誰にでもチャンスのある教育環境の整備
(11)高齢者の就業促進
(12)外国人材の受入れ
(13)10年先の未来を見据えたロードマップ

 罰則付きの時間外労働の上限規制など、長年にわたり労働政策審議会で議論されてきた課題が労使間での合意に向けて動き出したことを高く評価する声がある一方で、これらの対応策を実現する上で必要とされる労働生産性の向上策などについては具体性に乏しいこと、また、実施に当たり労使間の調整が難航することが予想される対応策も含まれていることなどから、個々の施策については実現可能性を疑問視する声もある。

首相官邸「働き方改革の実現」に関するwebサイト:
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/hatarakikata.html#headline