RPA(Robotic Process Automation)

公開日 2016.10.18 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)

RPA(あーるぴーえい:ロボティック プロセス オートメーション)

 人工知能や機械学習などの最新技術を活用して、これまで人間が行ってきた、判断を伴う作業などを機械に代行させることにより、業務の効率化や自動化を図る取り組み。従来のオートメーションが、主にロボットなどを用いた生産現場における業務効率化、自動化、省人化であったのに対し、RPAは、主にコンピュータや情報システムなどを用いてホワイトカラー業務の効率化、自動化を図る取り組みであり、仮想知的労働者(Digital Labor)と呼ばれることもある。
 RPAの導入により、次の効果が期待できる。

(1)事務作業の大幅な機械化、省人化が進むことにより、総務、人事、経理などの間接部門の生産性が向上する。ホワイトカラーが定型業務から離れて、施策立案・実行などに専念することができるようになり、マネジメントの高度化が進む。

(2)会計処理や給与計算などの業務の大幅なコストダウンが進み、その分だけ、会社は、開発や営業など、事業拡大に直結する業務にコストをかけることが可能になる。

 これまで行われてきた業務システムの活用は、あくまでも「作業を行うのは人間(システムは、人間が使う道具)」であったが、RPAでは、「システムに作業を行わせる(人間は、システムをチェックするだけ)」という考え方に立っており、業務効率化を目指す点では共通しているが、基本的なスタンスが大きく異なっている。
 2016年時点では、RPAは、まだ考え方として広がり始めたという状態にすぎないが、今後、さまざまなシステムなどが開発されれば、新たなマネジメント手法として、多くの日本企業に導入される可能性を秘めている。