生涯現役促進地域連携事業

公開日 2016.9.23 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)

生涯現役促進地域連携事業(しょうがいげんえきそくしんちいきれんけいじぎょう)

 65歳以降の高齢者の雇用・就業機会を確保するために、高齢者が居住する身近な地域社会で活躍できる環境整備を図る事業。厚生労働省が、地方公共団体が中心となって構成される協議会、またはそれを構成する団体から、「高年齢者の雇用に資する事業」に係る事業構想を募集し、コンテスト方式により地域の特性等を鑑みた創意工夫のある事業構想を選定し、その事業の実施を委託することにより推進される。
 高年齢者の雇用に資する事業として、例えば次の支援メニューが挙げられる。

(1)地域連携ネットワーク支援メニュー

①生涯現役社会の実現に向けた地域社会全体の機運醸成
②高齢期の就労・社会参加に向けた高年齢者の意識改革
③退職後の就労や社会参加を希望する高齢者のニーズ把握 等

(2)事業主支援メニュー

①人材不足産業や勤務時間等による人材ミスマッチ企業に対する高齢者の活用支援

②地域の中小零細企業で不足している専門的知識や高度技能を持つ高齢者の活用促進

③高齢者向けの仕事の切り出しや職域開発の支援 等

(3)高年齢者支援メニュー

①高年齢者を就労・社会参加活動へ誘導するセミナー等の開催

②高年齢求職者への再就職に資する就職準備セミナー等の開催

③高年齢求職者への再就職に資する資格取得講座の実施 等

(4)マッチング支援メニュー

①支援員による個別相談支援

②高年齢者の雇用・就業に係る合同説明会の開催 等

(5)上記のほか、高年齢者の多様な雇用・就業機会の確保に資する支援メニュー

 2016年度の事業予算の規模(年度計)は、都道府県で4000万円程度、政令指定都市および特別区で3000万円程度、その他市町村で2000万円程度、実施箇所数は20カ所程度を見込んでいる。