職業性ストレス簡易調査票

公開日 2015.7.9  深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)

職業性ストレス簡易調査票(しょくぎょうせいすとれすかんいちょうさひょう)

 働く人々が簡単・簡便に使用できる自己記入式のストレス調査票。1995~99年度に厚生労働省から東京医科大学ストレス測定グループに委託された「作業関連疾患の予防に関する研究」において開発された。職業性のストレス因子、反応、およびそれらの関係に影響を与える因子を同時測定でき、高い信頼性を持つことから、働く人々のストレス調査方法として多方面で使用されている。
 調査票は、57項目の質問によって構成されており、各質問の回答は、「そうだ」「まあそうだ」「ややちがう」「ちがう」などの四つから該当するものを選択することになっている。回答結果からは、仕事のストレス要因、ストレス反応、修飾要因の三つの状態を知ることができる。

(1)仕事のストレス要因
「心理的な仕事の量的負担、心理的な仕事の質的負担、身体的負担、コントロール、技術の活用、対人関係、職場環境、仕事の適性度、働きがい」の9尺度から構成される。

(2)ストレス反応
「心理的ストレス反応(活気、イライラ感、疲労感、不安感、抑うつ感)」と「身体的ストレス反応(11項目の身体愁訴)」について測定する。

(3)修飾要因
「上司、同僚、配偶者・家族・友人からのサポート」などの尺度で構成される。

 厚生労働省は、2015年12月から実施されるストレスチェック制度においても、この調査票を用いることを推奨しており、2015年5月に公表した「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」でも、その利用方法を具体的に解説している。
 なお、この調査票には、質問を23項目に絞り込んだ「簡略版」も用意されている。

≪参考≫厚生労働省ホームページ『職業性ストレス簡易調査票(57項目)』