ストレスチェック指針

公開日 2015.7.9  深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)

ストレスチェック指針(すとれすちぇっくししん)

 2015年12月1日から施行される、改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度の具体的な実施方法または面接指導の結果についての医師からの意見の聴取、就業上の措置の決定、健康情報の適正な取り扱いならびに労働者に対する不利益な取扱いの禁止などについて定めた指針。正式名称は、「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」で、厚生労働省が2015年4月15日に公表した。

 同時に公表された「ストレスチェック制度に関する省令」(平27.4.15 厚労令94)では、ストレスチェックの実施頻度、検査すべき三つの領域、結果の記録の作成・保存方法、および医師による面接指導の実施方法など、制度運用に関する大枠を示しているが、この指針では、より具体的な内容、例えば、①衛生委員会の役割、②ストレスチェックに用いる調査票、③高ストレス者の選定方法、④ストレスチェック結果の通知方法と通知後の対応、⑤面接指導結果に基づく就業上の措置に関する留意事項、⑥集団ごとの集計・分析結果の活用方法、⑦労働者に対する不利益取扱いの防止、⑧労働者の健康情報の保護などについて定めている。
 その主な内容は、次のとおりである。

(1)ストレスチェック制度の実施に当たっては、その実施体制・実施方法、不利益取扱いの防止などの事項を衛生委員会などで調査・審議し、その結果を踏まえて規程を定めなければならない。

(2)ストレスチェックに用いる調査票は、事業者の判断により選択することができるものとするが、「職業性ストレス簡易調査票」(57項目)を用いることが望ましい。

(3)面接指導の結果に基づく就業上の措置を決定する場合には、その労働者の了解が得られるよう努めるとともに、不利益取扱いにならないように留意しなければならない。

(4)分析結果に基づく措置は、管理監督者による日常の職場管理、労働者の意見聴取、産業医などの職場巡視などで得られた情報も勘案し、勤務形態または職場組織の見直しなどの観点から講ずることが望ましい。

(5)ストレスチェックを受けないこと、結果の提供に同意しないこと、または面接指導の申し出を行わないことを理由とした不利益取扱いを行ってはならない。また、面接指導の結果を理由とした、解雇などの不利益な取扱いを行ってはならない。

≪参考≫ 厚生労働省ホームページ
『心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針』