勤労青少年福祉法

公開日 2015.3.16 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)

勤労青少年福祉法(きんろうせいしょうねんふくしほう)

 勤労青少年の福祉に関する原理を明らかにするとともに、勤労青少年について、職業指導の充実、職業訓練の奨励、福祉施設の設置等の措置を計画的に推進し、もって勤労青少年の福祉の増進を図ることを目的として、1970年5月に公布、施行された法律。
 「厚生労働大臣が勤労青少年福祉対策基本方針を定めること」や「事業主は、雇用する勤労青少年が職業訓練校または高等学校の定時制課程・通信制課程に学ぶ場合は、必要な時間が確保できるような配慮に努めること」等を定めている。
 近年、定職に就かない「ニート」の増加や、若者を使い捨てにする「ブラック企業」の出現など、若年労働者に関する新たな問題が発生する中で、青少年の雇用の促進を図り、その能力を有効に発揮できる環境を整備するため、この法律をはじめとした関係法律の改正について、厚生労働省が検討を進めている。
 そのポイントは次のとおり。

(1)新卒者の募集を行う企業から応募者などに職場情報を提供する仕組みを創設する

(2)ハローワークは、一定の労働関係法令違反の求人者について、新卒者の求人申し込みを受理しないことができることとする

(3)若者に係る雇用管理の状況が優良な中小企業について、新たな認定制度を設ける

(4)ニート等の若者に対し、特性に応じた相談機会の提供、職業生活における自立支援のための施設(地域若者サポートステーション)の整備などの必要な措置を講ずる

 厚生労働省は、これらの改正案について、すでに労働政策審議会の答申を踏まえた法律案の作成に取り掛かっており、今後、その法案が国会へ提出される見込みである。
 なお、改正法が成立した場合、法律名は「勤労青少年福祉法」から「青少年の雇用の促進等に関する法律」に改められる予定である。