小1の壁

公開日 2014.9.22 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)

小1の壁(しょういちのかべ)

 共働き家庭等が、子供が小学校に入学したことをきっかけに、仕事と育児の両立が困難になること。主な要因としては、次のことが挙げられる。

(1)延長保育がある保育所などに比べて、(学童保育を利用したとしても)小学校のほうが終了時間が早いため、親は、仕事を早めに終えて、子供の迎えに行かなければならないから
(2)保護者会や授業参観など平日の行事が多くなり、そのたびに、親は、会社を休まなければならないから
(3)小学生になったことから子供が多くのストレスを抱え、親が、それまで以上に子供のサポートをしなければならないことが起こり得るから


 女性(母親)のほうが、「小1の壁」に直面して、これまで勤めてきた会社を辞めざるを得ない状況に陥ることが多く、これが女性の社会進出を阻害する一因となっているとする捉え方もある。
 政府も、「小1の壁」を問題として捉え、それを打破するための具体的への取り組みを始めている。2014年5月28日に行われた産業競争力会議課題別会合において厚生労働省・文部科学省が提出した資料では、小1の壁の打破と次代を担う人材の育成を目的とした「放課後対策の総合的な推進」が掲げられた。そこでは、政府として、「一体型を中心とした放課後児童クラブ・放課後子供教室の計画的な整備」や「民間サービスを活用した多様なニーズへの対応」に取り組むこととしている。