公開日 2014.1.24 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・ 社会保険労務士)
景気の好循環に向けた政労使会議(けいきのこうじゅんかんにむけたせいろうしかいぎ)
第2次安倍内閣において、経済の好循環の実現に向けて、政労使の三者が意見を述べ合い、包括的な課題解決のための共通認識を得ることを目的として開催された会議。
会議は、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)が主宰し、構成員は、副総理兼財務大臣、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、厚生労働大臣および経済産業大臣、経済界の代表者、労働界の代表者ならびに有識者である。
2013年9月20日に1回目の会議が開催され、同年12月20日の第5回会議の後、内閣総理大臣、日本経済団体連合会会長、日本商工会議所会頭、全国中小企業団体中央会会長、日本労働組合総連合会会長の連名で「経済の好循環実現に向けた政労使の取組について」が発表された。その主な内容は次のとおり。
- デフレ脱却に向けて経済の好循環を起動させていくためには、まずは経済の好転を企業収益の拡大につなげ、それを賃金上昇につなげていくことが必要である。
- 政府は、企業による賃金引き上げの取り組みを促進するため、所得拡大促進税制の拡充、復興特別法人税の廃止などを行う。労使は、経済情勢や企業収益、物価等の動向も勘案しながら十分な議論を行い、企業収益の拡大を賃金上昇につなげていく。
- 企業は、下請関係を含めた企業間取引において、その製品やサービスの価値を適正に評価し、物価や仕入れ価格の上昇に伴う転嫁についてしっかりと取り組む。
- 労使は、多様な形態の正規雇用労働者の実現・普及や人事処遇制度の普及・活用に向けた取り組みを進め、政府は、キャリアアップ助成金の拡充等を通じて、正規雇用労働者へのステップアップを支援する。
- 企業は、教育訓練の推進、女性の活躍の促進、ワーク・ライフ・バランスの更なる推進を図り、労働者は、中長期的なキャリア形成も見据えつつ、自己啓発による自らの能力開発に努める。政府は、設備投資や研究開発の実施を支援するとともに、中長期的なキャリア形成支援やワーク・ライフ・バランス推進のための環境整備を行う。