間接差別

公開日 2014.1.24 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・ 社会保険労務士)

間接差別(かんせつさべつ)

 性別によって差をつける直接的な言い回しを避けながら、実質的には一方の性に対して不利益に働く基準を設けること。
 2007年4月に施行された改正男女雇用機会均等法では、間接差別を「性別以外の事由を要件とする措置」であって「他の性の構成員と比較して、一方の性の構成員に相当程度の不利益を与えるもの」を「合理的な理由がないときに講ずること」と定め、厚生労働省令において、次の三つのケースを間接差別になるおそれがある措置として、合理的な理由がない限り禁止した。

  1. 労働者の募集又は採用に当たって、労働者の身長、体重または体力を要件とするもの
  2. コース別雇用管理における「総合職」の労働者の募集または採用に当たって、転居を伴う転勤に応じることができることを要件とするもの
  3. 労働者の昇進に当たり、転勤の経験があることを要件とするもの


 ただし、上記三つ以外についても、裁判などで間接差別と判断されることがある。
 2013年12月24日に公布された男女雇用機会均等法施行規則を改正する省令では、コース別雇用管理における「総合職」の募集または採用に係る転勤要件について、総合職の限定が削除され、昇進・職種の変更が措置の対象に追加された。これにより、すべての労働者の募集・採用、昇進、職種の変更に当たって、合理的な理由なく転勤要件を設けることは、間接差別に該当することになる(この省令は2014年7月1日に施行される)。