欲求理論

公開日 2013.7.22 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・ 社会保険労務士)

欲求理論(よっきゅうりろん)

 人間には、達成、権力、親和の三つの主要な欲求が存在し、どの欲求が強いかによってモチベーションを高めるポイントが異なるという理論。アメリカの心理学者デイビッド・C・マクレランドが1976年に提唱した。

 この理論における三つの欲求とは、次のものをいう。

(1)達成欲求(need for achievement)
 何かを達成したい、成功したいという欲求。この欲求が強い人は、やりがいのある仕事や挑戦的な目標に主体的に取り組むときに、モチベーションを高める傾向がある。

(2)権力欲求(need for power)
 他人に影響力を発揮し、他人をコントロールしたいという欲求。この欲求が強い人は、権限を与えられ、他人からの信望が得られたときに、モチベーションを高める傾向がある。

(3)親和欲求(need for affiliation)
 他人に好かれたいという欲求。この欲求が強い人は、友好的、かつ密接な人間関係を構築することに対して、モチベーションを高める傾向がある。

 マクレランドは、これら三つの欲求と業績との関係性を調べて、達成欲求が強い人は、権力欲求や親和欲求が強い人と比べて、業績に対する意識が高いことを発見した。この発見は、コンピテンシー理論の基礎となり、人事管理に具体的に応用されることになった。