フロー理論

公開日 2013.7.22 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・ 社会保険労務士)

フロー理論(ふろーりろん)

 人間は、一つのことに没頭している「フロー状態」に入ったときに、最大限のパフォーマンスが発揮できるという理論。心理学者のチクセントミハイによって提唱され、スポーツ選手やビジネスパーソンのモチベーションを高めるとき等に応用されている。

 フロー状態とは「一つの活動に深く没入しているので、他のことが問題にならなくなる状態」、「その経験自体を楽しみ、それをするためだけに多くの時間や労力を費やす状態」をいい、次の八つの特徴があるとされている。

(1)達成できる見通しのある課題へ取り組む
(2)自分の行っていることに集中する
(3)明確な目標がある
(4)直接的なフィードバックがある
(5)日々の生活の気苦労や欲求不満が意識から取り除かれる
(6)自分の行為を統制している感覚をもつ
(7)自己についての意識は消失するが、フローの後では自己感覚が強く現れる
(8)時間の経過の感覚が変わる

 人間は、フロー状態を経験し、そこに達する道筋をつかむことによって、モチベーションを高め、さまざまな能力を開発できるとしている。

 モチベーション理論の中では比較的新しい概念で、近年は、スポーツの分野(この分野では、「フロー状態」ではなく、「ゾーンに入る」などの表現が使われることが多い)において、特に応用が進んでいる。