公開日 2012.06.28 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)
WBGT値(だぶりゅーびーじーてぃち)
暑熱環境による熱ストレスの評価を行う「暑さ指数」のこと。厚生労働省は、WBGT値によって職場の暑熱環境を把握することを、熱中症予防のポイントとして挙げている。「WBGT」は“Wet-Bulb Globe Temperature”の頭文字をとったもので、「湿球黒球温度」とも呼ばれる。
WBGT値は、乾球温度、自然湿球温度、黒球温度を測定し、次の式にあてはめて算出する。
(1)屋内、屋外で太陽照射のない場合(日かげ)
WBGT値=0.7×自然湿球温度+0.3×黒球温度
(2)屋外で太陽照射のある場合(日なた)
WBGT値=0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
作業場所のWBGT値が「WBGT基準値」を超えるおそれがある場合には、熱中症にかかる可能性が高くなるため、冷房などによりWBGT値の低減を図る、身体作業強度の低い作業に変更するなどの対策を講じることが必要となる。
WBGT基準値は、身体作業強度等に応じて、下表のとおり設定されている。
もともとは熱中症が多い建設業や製造業において活用される指標であったが、近年、節電を意識するあまり冷房機を使わずに熱中症になるケースも出てきたことから、さまざまな職場でWBGT値が活用されるようになってきている。
【身体作業強度等に応じたWBGT基準値】
参考:厚生労働省「職場における熱中症の予防について」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/06/h0616-1.html