直間比率

公開日 2012.05.07 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)

直間比率(ちょくかんひりつ)

 人事分野においては、一般的に「直接業務に従事する従業員数に対する間接業務に従事する従業員数の比率」をいう。この比率が低いほど、会社の中に生産業務や販売業務に従事していない従業員が少ないことを示しており、事業運営が効率的に行われているものと捉えられる。

 従業員は、勤務場所および担当業務によって、次の四つに区分けすることができる。
(1)本社で管理業務に従事する者
(2)本社で企画開発業務に従事する者
(3)工場・営業所で管理業務に従事する者
(4)工場・営業所で生産、販売業務などに従事する者

 このうち、(1)から(3)までのデスクワークを主体とする従業員を「間接人員」と、(4)の現業を中心に行う従業員を「直接人員」とし、間接人員総数を直接人員総数で除した数値を「直間比率」とすることが多い。

 ただし、「直間比率」や「直接業務・間接業務」については、統一的な定義は存在せず、それぞれの会社や調査において算出方法や業務の区分けを独自に定めている。

 近年、さまざまな業務にITが取り入れられる中で、「直接業務=現業」と「間接業務=デスクワーク」の区分けは不明確になってきているため、「直間比率」は、管理指標として使われなくなってきている。

 なお、税制においては直接税と間接税の比率のこと、会計においては直接費と間接費の比率のことを、「直間比率」という。