2012年02月21日掲載

注目調査レポート - 仕事のモチベーション、今年は上がりそうですか?【注目調査レポート】


ビジネスパーソンは自身のモチベーションをどのように捉えているのでしょうか。今年のモチベーションに関する予想とその理由、また震災後からのモチベーションの推移についてもあわせて見ていきましょう。

◆昨年より低い66点

今年2012年の自分のモチベーションを100点満点で得点化してもらったところ、平均は66点で、前回調査(2010年12月)に比べると3ポイントの低下となりました。得点分布をみると、40点台と70点台にピークがあり、モチベーションの低い層と高い層に分かれていることがわかります。

ちなみに昨年5月に同社が実施した「震災後のモチベーション調査」では、「がんばろうと思う」が75%、「仕事ができることの大切さに気づいた」が73%となるなど、震災からの復興に向けたモチベーションが高まっていました。しかしそれから約半年が過ぎた現在では、震災前よりもモチベーションが下がるような予想になっています。

◆高得点の管理職も、昨年よりポイント減

役職別では、役員・経営者クラスや管理職では70点を超えているものの、一般社員クラスでは64点と、上層部と一般社員との間でモチベーションに開きがみられました。昨年と比較すると、一般社員(係長主任・一般社員クラス)で3ポイント低下、管理職(部長・本部長・課長・次長クラス)が6ポイント低下していました。特に管理職層では、モチベーションアップの要因である「今の仕事が好きだから」「今の会社が好きだから」と答える人が減少。仕事や会社への愛着が薄れている様子がうかがえます。

資料出所:JTBモチベーションズ(クリックで拡大)

◆社長、経営責任者のモチベーションアップを望む

2012年のモチベーションがどうなると思うか聞いたところ、昨年と同様に「今のレベルを維持する」との回答が52%と最も多くなりました。「上がる」は昨年比4ポイント減の26%、「下がる」は昨年比6ポイント増の22%となっています。

資料出所:JTBモチベーションズ(クリックで拡大)

モチベーションが「下がる」と意識している人の理由として最も多かったのは、「今の給与やボーナスに満足していないから」(51%)でした。また、昨年よりポイントが高くなった回答には、「がんばっても成果が出ないだろうから」「上司のマネジメントがよくないから」「今の仕事が好きではないから」などがあります。

職場でもっとモチベーションを上げて、仕事をしてほしい人を聞いたところ、「社長、経営責任者」が25%、「直属の上司」が23%で、半数近くの人が上層部の人へのモチベーションアップを望んでいるという結果となりました。これは、部下たちの期待の表れなのかもしれません。

◆モチベーションを高めるためには

同社では、東日本大震災以降、信頼関係を求める気持ちが強まっていることを挙げ、「職場や仕事においても、よいマネジメントや好きになれる会社を求める気持ちと、現実とのギャップが強まり、平常時には見過ごされていた不満が顕在化したと考えられる」としています。改善策としては、①愛される会社・職場作りを目指す、②管理職のモチベーションとマネジメント力の向上が必要、③経営者自身が意識と行動を変える、④個々の社員の能力を開発、⑤がんばれば成果の出る仕事の仕組みづくり、という5つのポイントが提案されています。

【調査概要】
2012年モチベーション予想
株式会社JTBモチベーションズ調べ
調査方法:インターネットリサーチ
調査地域:全国
調査対象者:18~65歳の社会人の男女
有効回答者数:618サンプル

http://www.jtbm.co.jp/report