公開日 2012.01.26 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)
マッチング拠出(まっちんぐきょしゅつ)
企業型確定拠出年金において、事業主が拠出する掛金に上乗せして個人が掛金を追加拠出すること。従来、日本の確定拠出年金ではマッチング拠出は認められていなかったが、年金確保支援法により2012年1月1日から可能になった。
マッチング拠出は、拠出限度額(確定給付企業年金を実施していない場合は月額5万1000円、確定給付企業年金を実施している場合は月額2万5500円)の枠内で、かつ事業主の掛金を超えない範囲で認められるもので、個人が追加拠出する掛金は所得控除の対象になる。
マッチング拠出は、従業員自身が確定拠出年金の掛金を増額することによって、将来、受け取る年金額を大きくすることができる仕組みであり、個人の資産形成の有効な手段となり得るものである。厚生労働省によると、2011年11月末現在で企業型確定拠出年金の規約数4064件のうち掛金を拠出限度額と定めているものは470件にとどまっており、今後、多くの規約でマッチング拠出の導入が進むものと考えられる。
なお、マッチング拠出には、個人型確定拠出年金において個人の掛金に事業主が追加拠出を行うパターンもあるが、アメリカではこちらのパターンが多い。