労働安全衛生マネジメントシステム

公開日 2011.10.25 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)

労働安全衛生マネジメントシステム(ろうどうあんぜんえいせいまねじめんとしすてむ)

 事業場における安全衛生管理に係る一連の自主的活動に関する仕組み。英語名の「Occupational Health & Safety Management System」を省略して「OHSMS」と表記されることもある。事業者が労働者の協力の下に一連の過程を定めて継続的に行う自主的な安全衛生活動を促進することにより、事業場における安全衛生水準の向上を図ることを目的として行われる。

 具体的には、次の事項が体系的かつ継続的に実施される。
(1)安全衛生に関する方針の表明
(2)危険性または有害性等の調査およびその結果に基づき講ずる措置
(3)安全衛生に関する目標の設定
(4)安全衛生に関する計画の作成、実施、評価及び改善

 ILO(国際労働機関)では、1996年から労働安全衛生マネジメントシステムの基準作りについて検討され始め、2001年12月に「労働安全衛生マネジメントシステムに関するガイドライン」を公表した。これに先立ち、日本では、労働省(現:厚生労働省)が1999 年4 月に「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」(2006年改正)を公表している。

 なお、2011年時点において労働安全衛生マネジメントシステムに関する認定(認証)基準は統一化されておらず、中央労働災害防止協会による「JISHA方式」、イギリス規格協会(BSI)が制定した「OHSAS18001」など複数の基準が存在している。