GHS

公開日 2011.10.25 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)

GHS(じーえいちえす)

 「Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)」の略語で、2007年に国連が勧告として公表したもの。化学物質を引火性、発がん性など危険有害性ごとに分類し、危険有害とされるすべての化学物質について、その危険有害性が一目で分かるよう、世界的に統一されたルールに従ってラベル表示をしたり、化学物質等安全データシート(Material Safety Data Sheet : MSDS)を作成・提供したりすることを求めている。

 GHSには、次の四つの効果を期待することができる。
(1) 危険有害性の情報伝達に関して、国際的に理解されやすい仕組みの導入によって、人の健康と環境の保護が強化される
(2) 既存のシステムを持たない国々に対し、国際的に承認された仕組みを提供する
(3) 化学品の試験および評価の必要性が減少する
(4) 危険有害性が国際的に適正に評価、確認された化学品の国際取引が促進される

 日本では、GHS国連勧告を踏まえ、化学物質等に係る表示および文書交付制度を改善した改正労働安全衛生法が2006年12月1日から施行された。2011年4月1日現在、労働安全衛生法における表示義務の対象物質は104物質、また文書交付義務の対象物質は640物質となっている。