公開日 2011.10.03 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)
カーブアウト、carve out(かーぶあうと)
企業が、将来的に有望な事業を分離し、社外の投資家からも資本参加などを受けながら、新会社として独立させること。カーブアウトした会社は、元の企業との親子関係を維持しつつ、第三者からも資金面や経営面の援助を得ることができるので、成長のスピードが速く、早期に株式公開を果たすことが可能となる。大企業が、自社の中で埋もれている技術や事業を、ファンドなどの出資を得てベンチャー企業として独立させる場合に使われることが多い。
なお、企業から新会社が独立するときには「スピンオフ」や「スピンアウト」という言葉も使われる。「スピンオフ」は、企業が、特定の事業を分離して新会社を設立し、その会社の株式を元の企業の株主に分配することをいう。日本においては、親会社が事業の選択と集中を進めるために、不採算事業等を子会社として切り離す場合に主に用いられている。
「スピンアウト」は、独自の技術を持つ者が会社を退職して、それを活かした新会社を立ち上げることをいう。新会社として独立する者が主体となって行われるところがカーブアウトやスピンオフとの違いであり、例えば、社内ベンチャー制度によって設立された会社などが後者に該当する。