EAP

公開日 2011.10.03 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)

EAP(いーえいぴー)

 「Employee Assistance Program」の略。「従業員支援プログラム」と訳され、従業員が抱える個人的な問題(健康、結婚、家族、家計、ストレス等の仕事上のパフォーマンスに影響を与える問題)を見つけ出し、その解決を支援するために、企業が提供するプログラム。一般的には、会社が社外の専門機関と契約し、従業員がその機関が提供する各種サービスを利用することによって実施される。従業員のストレスの軽減により、職場の生産性を向上させるメリットがあると考えられている。

 EAPで提供される主なサービスには、次のものがある。
(1)問題を抱える従業員との面談、問題解決の支援
(2)医学的診断、治療などを受けられるようにするためのサポート
(3)問題を抱える従業員に対処するための管理職研修

 EAPは、アメリカにおいて、従業員のアルコールや薬物依存症などを解決するプログラムとして開発されたものであるが、現在では、大企業のほとんどが導入していると言われている。日本では、1990年代後半から、仕事上のストレスによるうつ病の増加が問題となる中で、メンタルヘルス対策の一環としてEAPが注目されるようになった。現在、大手企業を中心にEAPの導入が進んでおり、また、EAP関連のサービスを提供する会社も増加を見せている。