職務分析

公開日 2011.10.03 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)

職務分析(しょくむぶんせき)

 人員配置や報酬を決定するときの基礎情報を得るために、個々の職務の内容を分析すること。1900年代初頭にアメリカで行われるようになったものだが、我が国では1950年ごろから実施する企業が出始め、1970年代からは職能資格制度の広まりとともに、多くの企業で盛んに行われた。

 職務分析における主な分析項目は次のとおりである。
(1) 具体的な仕事の内容、目的、作業手順
(2) 職務遂行において必要とされる知識、能力
(3) 精神的または身体的負荷の程度
(4) 職務に関する権限、責任の範囲
(5) その他、職務が行われる職場環境など

 職務分析の方法には、担当者に職務内容などを書きださせる「記述法」、担当者に聞き取り調査を行う「面接法」、現場に行って職務を行っている様子を観察する「観察法」などがある。職務分析の結果は、職務内容を取りまとめた「職務記述書」や職務遂行能力などを取りまとめた「職能要件書」として書面化されて、配置転換や昇格・昇進を決定するときの基準、人事考課を設計するときの基礎資料、あるいは職能給や職務給を設計するときの基準などとして用いられる。