公開日 2011.08.18 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)
DCF法(でぃーしーえふほう)
企業価値や投資プロジェクトの採算性の評価方法の一つで、将来にわたって産み出される収益(キャッシュ・フロー)を現在価値に換算したものを合計して企業(資産)の価値を算定する手法。DCFは「Discounted Cash Flow」の略。
DCF法においては、将来見込まれる収益を利子率で割ることによって、現在価値に換算する。例えば、利子率(r)が一定の場合、n年後の収益(Pn)の現在価値は「Pn÷(1+r)n」で算出される(これを「割り引き計算」という)。このようにして将来産み出される収益を現在価値に割り引いたものをすべて合計して、企業価値を算出する。
利子率(r)と収益の増加率(g)の双方が将来にわたり一定の場合、企業価値(V)は次の算式で示されることが知られている。
なお、企業価値を厳密に評価するときには、利子率ではなく「資本コストの加重平均値」(資本の構成要素ごとに調達コストを算出し、それを加重平均したもので「WACC(=Weighted Average Cost of Capital)」と呼ばれる)が割引率として用いられる。
DCF法は、企業価値の合理的な算定方法として広く使われているが、将来の収益の推計や割引率の設定次第で計算結果が異なってくるという点に注意しなければならない。