企業価値

公開日 2011.08.18 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)

企業価値(きぎょうかち)

 企業の経済的な価値(値段)を示す指標で、「保有する資産の総和」、あるいは「企業が産み出す経済的価値の総和」でとらえられるもの。主に、理論的に株価を算定するときやM&Aの有効性を判断するとき等に用いられる。

 企業価値の算出対象には、有形の資産だけではなく、ブランドや技術等の無形資産も含まれる。企業価値の主な算出方法としては、次の三つがある。

(1)マーケット・アプローチ
 証券市場における株価から推計する方法。株式を上場している場合は、株式の時価総額と負債の合計額をその企業の企業価値とする。上場していない場合は、類似する上場企業の株価等を参考にして、その企業の価値を推計する。
(2)コスト・アプローチ
 所有している資産の総和を企業価値とする方法。その企業が所有する資産や負債を個別に評価し、それらを合計して企業価値を推計する。
(3)インカム・アプローチ
 その企業が将来的に産み出す経済的な価値から算出する方法。具体的には、将来にわたり産み出される収益(キャッシュ・フロー)を現在価値に換算したものの総和を企業価値とする。(これを「ディスカウント・キャッシュ・フロー[DCF]法」と呼ぶ)

 なお、「株主価値」という用語もあるが、これは、企業価値から有利子負債を差し引いたものを指している。