公開日 2011.08.18 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)
自己資本比率(じこしほんひりつ)
総資本のうち純資産(新株予約権と少数株主持分を除く)の占める割合で、企業の財務面での安全性を表す指標。自己資本比率が高いほど、総資本に占める負債の割合が小さくなり、安全性は高くなる。
貸借対照表の貸方項目は、負債と純資産に分けられる。負債とは、将来にわたって返済が必要な資金であり、主に金融機関からの借入金などがこれに該当するため「他人資本」と呼ばれる。一方、純資産は、株主から調達した資金など返済義務がないものであり、「自己資本」と呼ばれる。この自己資本が総資産(負債+純資産)に占める割合を自己資本比率という。
高い自己資本比率は、借入金に頼らず堅実な事業運営を行っていることを示す。ただし、自己資本比率を高めるために自己資本の額を増やすと、自己資本利益率が低下して「資本を効率的に活用していない」というマイナス評価を投資家から受けることもある。
財務省「法人企業統計調査」によれば、2009年度の日本企業(金融保険業を除く)の自己資本比率の平均値は34.5%となっている。
なお、2006年の新会社法施行前は、自己資本は「負債以外の資本」であり、「純資産」と同じものであったが、新会社法施行後、自己資本と純資産は、対象範囲が異なる別個のものとしてとらえられている。