公開日 2011.07.28 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)
輪番制(りんばんせい)
集団内を複数のグループに区分けし、順番に役割等を割り当てること。特に就業に関しては、次のような取り決めを指す。
(1)同一企業内で、事業所ごとに夏季休業の時期ずらして設定する取り決め
(2)業界団体の主導により、複数の企業間で曜日ごとに操業する事業所と休業する事業所を割り振る取り決め
2011年、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う夏の電力供給不足に対応するため、さまざまな企業や業界が輪番制の導入を検討した。例えば、キャノンや日立製作所は、東京電力管内の事業所の夏季休暇をずらして設定する「夏期休暇輪番制度」を実施することにした。また、自動車業界ではメーカーごとに稼働日をずらす「輪番操業」の導入を、百貨店業界では同一地域内にある店舗を交替で休業させる「輪番休業」の導入を、それぞれ検討した。これらは、稼働の分散化等により電力需要のピークを低く押さえて、計画停電の回避を図ろうとするものであった。
なお、「交替勤務」も従業員を複数の組に分けて順番に就業させるものであるが、これは「1日の勤務時間を二つ以上に分割する」という勤務形態を指すものであり、輪番制とは異なる意味を持っている。