公開日 2011.07.07 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)
マネジメント・バイアウト(まねじめんと・ばいあうと)
経営陣(または経営者)が資金を出して、現在、自分達が経営している会社の株式を出資者から購入し、株主となって経営権を取得すること。
経営陣が株主や投資家の意向に左右されずに経営を行おうとする場合、あるいはグループ企業において、事業部門を独立した会社にする場合にこの方法が用いられる。
会社側のメリットとしては、次のことが挙げられる。
(1)経営方針や雇用を維持したまま、経営体制の変更を円滑に行うことができる
(2)市場や親会社の意向を気にすることなく、中長期的な視点から会社を経営することができる
(3)敵対的買収を回避することができる
一方、デメリットとしては、次の点がある。
(1)市場からの資金調達が困難になる
(2)会社の所有者と経営者が同一人物となるため、経営に対する監視機能が低下する
(3)(グループ会社から離れて独立する場合)親会社からの支援が受けられなくなり、業績が悪化するおそれがある
最近では、信用・価値向上や資金調達面等の上場メリット低下や、経営再建に向けた意思決定の合理化などの背景から、2000年代半ば以降MBOの実施と併せて上場廃止に踏み切る例も散見されるようになっている。なお、経営陣ではなく従業員が出資して株式を購入し、経営権を取得する場合は、「EBO(Employee Buy-Out)」と呼ばれる。