フリンジ・ベネフィット

公開日 2011.07.07 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)

フリンジ・ベネフィット(ふりんじ・べねふぃっと)

 従業員に与えられる「現金給与以外の付加的給付」のこと。主に、現物給付やサービス提供という形で付与される。具体的には、次のものがある。

(1)社宅や独身寮等の提供、家賃補助
(2)社内融資制度、財形貯蓄への利子補給
(3)社内食堂における食事の提供、食費の支給
(4)保養所の提供、レクリエーション費の補助
(5)人間ドックの診断費用の補助
(6)託児所の提供、育児や介護の支援
(7)企業年金への事業主拠出金
(8)自己啓発費用の補助

 日本の「福利厚生」とほぼ同義語であるが、フリンジ・ベネフィットのほうが従業員に与えられる便益を幅広く含んでおり、各種休暇の付与や交際費の使用までも含めてフリンジ・ベネフィットととらえることもある。

 フリンジ・ベネフィットには、「給付内容によっては便益を受ける者と受けられない者との間で不公平が生じる」「社宅や保養所等の施設を維持するために多額の費用がかかる」等の問題がある。このため、近年では、「従業員がメニューの中から自分の好きな給付・サービスを選ぶカフェテリア・プランを導入する」あるいは「フリンジ・ベネフィットを縮小、廃止して、その分の原資を現金給与に振り替える」等の動きが出てきている。