公開日 2011.07.07 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)
持株会社(もちかぶかいしゃ)
他の会社の株式を所有することによって、その会社の事業活動を実質的に支配している会社のこと。
他社の株式の所有だけを目的として自社では事業活動を行わない「純粋持株会社」と、自社も事業活動を行う「事業持株会社」とに区分される。なお、金融機関の株式所有を目的とする会社を「金融持株会社」という。
持株会社設立のメリットとして、次の点が挙げられる。
(1)グループ全体の戦略の実行は持株会社、個々の事業の運営は子会社、と役割分担を明確にすることにより、経営のスピード化を図ることができる。
(2)子会社を売却する、あるいは他社を買収して子会社とする等、M&Aを機動的に行うことができる。
逆に、デメリットとしては次の点が挙げられる。
(1)持株会社の支配が強すぎると、子会社の独立性が失われて、事業活動に支障を来す。
(2)子会社間での連携が失われたり、事業の重複が生じたりすると、グループ全体としては効率性が低下する。
純粋持株会社は、事業支配力が過度に集中するおそれがあるものとして、その設立は独占禁止法により禁止されていたが、1997年の法改正で解禁された。現在では、大企業や金融機関を中心に、多くの持株会社が設立されている。