ピグマリオン効果

公開日 2011.06.24 和田東子(HRDジャーナリスト)

ピグマリオン効果(ぴぐまりおんこうか)

教師期待効果、ローゼンソール効果、Pygmalion effects、自己充足予言、ゴーレム効果

生徒の学業成績について教師がポジティブな期待を抱くと、その期待が自己充足予言として機能し、結果として生徒の学業成績が期待どおり向上するという心理学における仮説。アメリカの心理学者ロバート・ローゼンソール(Robert Rosenthal)が提唱し、1965年に小学校で実験が行われた(ピグマリオン実験)。ちなみに「ピグマリオン効果」とはギリシア神話からとった命名。

現在では、ローゼンソールの実験は多くの不備が指摘されており、その有効性には疑問があるとするのが一般的である。しかし、教育現場で体感として認識されていた「期待」の重要性を、研究対象に取り上げ、教育学に大きな刺激を与えた点で評価されている。

企業におけるリーダーシップの在り方とピグマリオン効果について研究したテルアビブ大学のDov Edenらは、ネガティブな期待を抱いた場合に、ネガティブな結果が得られることを「ゴーレム効果」と名付けている。

企業内教育の分野では、従業員の動機づけピグマリオン効果およびゴーレム効果と同様の考え方を示すものとして、ホーソン効果(ホーソン実験)が知られている。


■参考文献
『THE URBAN REVIEW』Volume 3, Number1 P16-20
『企業内人材育成入門』P112 中原淳編著 荒木淳子、北村士郞、長岡健、橋本諭著