公開日 2011.06.24 和田東子(HRDジャーナリスト)
NLP(えぬえるぴー)
Neuro Linguistic Programming(神経言語プログラミング)の略称。人間の経験や思い込みは視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚で構成されるという考え方をベースに、この5感をコントロールして心理状態をコントロールしようとする手法。
アメリカのセラピストであるリチャード・バンドラー(Richard Bandler)と、言語学者であるジョン・グリンダー(John Grinder)が1970年代に体系化した手法。二人は当初、共同で協会を立ち上げたが、1980年代には袂(たもと)を分かち、それに伴ってNLPもさまざまな分派に分かれていった。
NLPは「脳の取り扱い説明書」といった説明が有名で、脳科学をベースに、催眠時のリラックスした状態を治療に利用する催眠療法、人物全体を見て問題症状を緩和しようとする「ゲシュタルト療法」、家族全員を対象に心理療法をすすめる「家族療法」の考え方や技法を取り入れた技術とされる。NLPは熱心な支持者が多くいる一方で批判も多い。それは手法としての独自性や科学的根拠に疑問が呈されていることが原因であり、時に「疑似科学」と評されることもある。
特に「成功者の考え方や行動をモニタリングする」というNLPの方法論が、「意識を変えることで夢を実現する」といったいわゆる「成功哲学」や自己啓発セミナーと結びきやすい点も批判の要因となっている。
■参考サイト
○Richard Bandler
http://www.brainf.it/
○John Grinder(インタビューページ)
http://www.inspiritive.com.au/grinterv.htm
■参考文献
『一瞬で自分を変える法』アンソニー・ロビンス、本田健
『The First session in brief therapy』Simon H. Budman、Michael F. Hoyt、Steven Friedman P14-15