公開日 2011.06.24 和田東子(HRDジャーナリスト)
Coaching(こーちんぐ)
相手(クライアント)の自発的な行動を引き出すことを目的としたコミュニケーションスキル。傾聴やさまざまな質問など、複数のスキルが体系化され、クライアントから答えと行動を引き出すことを目指す。
コーチングが企業に浸透したのは1990年代以降である。1992年にアメリカでコーチのトレーニング機関であるCTI(The Coaches Training Institute)が設立されたのに続き、国際コーチ連盟(International Coach Federation/ICF,1996年)などの団体が設立された。これらの団体のほか、コンサルティングファームもコーチングを取り上げるようになり、IBMやヒューレット・パッカード、ゼネラル・エレクトリック(GE)などの大企業の導入が進んだ。今日では、部下指導やマネジメントを担うマネジャーの基本スキルとして認知されるに至っている。
1990年代後半になると、個人にフォーカスするパーソナルコーチングや、医療福祉現場で発達した「ナラティブアプローチ」(narrative=物語)を取り入れたナラティブコーチングなども登場し、多様な展開が見られる。
NLP(神経言語プログラミング)と結び付いた展開として、1990年代後半から2000年代に現れた“有名コーチ”の存在がある。ネルソン・マンデラやビル・クリントン等著名人のコーチも行ったというアンソニー・ロビンス(Anthony Robbins)や、ジェームス・スキナー(James Skinner)らの有名コーチが、「成功哲学の体現者」として熱狂的な支持を集めた。
■参考文献
『コーチング・バイブル』 ローラ・ウィットワース、ヘンリー・キムシーハウス、フィル・サンダール P15-18
『一瞬で自分を変える法』アンソニー・ロビンス、本田健
『人材教育』2008年2月号 P14-21