事業

公開日 2008.10.03 あした葉経営労務研究所

事業(じぎょう)

●労働基準法は事業の種類を問わず、原則として労働者を1人でも使用する事業または事務所に適用される。

●ただし、下記は適用除外とされている。
(1)同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人(例外あり)
(2)一般職の国家公務員、地方公務員の一部
(3)船員(一部除く)

●労働基準法の適用事業とは営利・非営利を問わず、業として継続的に行われるものをいう。

●労働基準法の適用単位である事業は、原則として場所単位となる。したがって、一つの事業であるか否かは主として場所的観念によって決定すべきもので、同一場所にあるものは原則として分割することなく一個の事業とし、場所的に分散しているものは原則として別個の事業とすること。

●ただし、場所的に分散しているものであっても規模が小さく独立性のないもの(2~3人の出張所など)は、直近上位の組織と一括して一つの事業として扱う。また同一場所であっても、労働の態様が著しく異なる場合は、その部門を一つの独立の事業とすることもある(昭33.2.13 基発90)。

●労働基準法の条文には、「事業」という表現を使わないが、事業を前提に規定されているものがある。例えば、89条では「常時10人以上の労働者を使用する使用者」に就業規則の作成義務が課せられているが、この「常時10人以上」か否かの判断は、事業単位で判断される(会社全体ではない)。

●また、「事業場」という表現を使う場合もある。就業規則作成・変更時の意見徴収義務(90条)では、「事業場」の過半数組合もしくは過半数代表者の意見を聞かなければならないとされている。この「事業場」も事業単位で考える。

●海外における適用事業…日本国内の事業が国外で作業を行う場合で、当該作業場が一の独立した事業と認められない場合には、現地における作業も含めて、当該事業を一の事業とみなす。
 
●日本国内で行われる事業または事務所であれば、外国人経営の会社、外国人労働者等に対しても法令または条約に特別の定めがある場合(外交官等)を除いて労働基準法は適用される(平11.3.31 基発168)。

■関連用語
 労働基準法
 適用除外

(あした葉経営労務研究所 代表/株式会社キャリア・ブレーン 認定キャリア・コンサルタント 本田和盛)