社会保険労務士 人事コンサルタント 深瀬勝範
「説明責任」と訳され、権限の行使者が自分の行為や所属する組織の状況を関係者に報告する責任のこと。「account(計算)」に能力を表す接尾語「ability」がついた言葉で、元来は、公的機関や企業経営者が国民や株主に資産の活用状況等を説明する責任を示す会計用語であった。(この場合は「会計責任」と訳される)現在は、会計分野に限らず、それぞれの立場の者が自分の行為や成果を関係者に報告する責任を表す言葉として幅広く使われている。
「アカウンタビリティ」は、2000年頃から社会的な注目を浴びるようになった。この頃、不祥事を起こした企業が、状況説明を十分に行わなかったために、株主や顧客の不信感を買い問題を深刻化させた事件が続発しており、それを契機に、アカウンタビリティは経営に重大な影響を及ぼす事項として認識され始めた。その後、目標管理制度の導入等に伴い、従業員が自分の成果や職務遂行上の問題点等を上司に説明することが求められるようになったため、アカウンタビリティは、経営者に限らず、それぞれの者が自分の成果や行為を関係者に報告する責任を示す言葉として、広く使われるようになった。