キャリア・アンカー

公開日 2008.02.29 プライスウォーターハウスクーパース株式会社



キャリア・アンカーとは、個人が自らのキャリアを選択する際に想起する“最も大切な(どうしても犠牲にしたくない)価値観や欲求”のことである。これは自己の内面によるものであって、周囲が変化しても不動のものである。1978年に、米国の組織心理学者エドガー・シャインEdgar Scheinによって提唱された概念である。

●シャインは当初、主なキャリア・アンカーを、
 ①経営管理コンピタンス(Managerial Competence):組織の中で責
  任ある役割を担うことを望むこと
 ②専門コンピタンス (Technical/Functional Competence): 自分の専
  門性や技術が高まることを望むこと
 ③自律(Autonomy/Independence):安定的に一つの組織に属する
  ことを望むこと
 ④起業家的創造性 (Creativity):クリエイティブに新しいことを生み
  出すことを望むこと
 ⑤安定 (Security/Stability):自分で独立することを望むこと
 ――の五つに分類されるとした。その後さらに研究を進め、
 ⑥社会への貢献(Service/Dedication to a Cause)
 ⑦チャレンジ (Pure Challenge)
 ⑧全体性と調和(Lifestyle)
 ――を加え、八つの分類になっている。

●近年では、キャリア・アンカーという概念は、1990年代にスタンフォード大学のジョン・クランボルツjohn Krumboltzにより提唱され「PlannedHappenstance Theory(計画された偶然性理論)」と併せて、キャリア開発の研修等において幅広く使われている。


■関連用語
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