公開日 2008.02.29 プライスウォーターハウスクーパース株式会社
●マルチスペシャリストとは、一つの分野の専門家であるのみではなく、複数の分野において専門性を持ち、活躍ができる人材のことである。「多能工」とも言い換えられる。
●一般的に、欧米の技術者は単能工であり、日本の技術者は多能工であるといわれてきた。
●生産現場における労働者の熟練の段階は未熟練工、単能工、多能工の3段階に分けることができる。多能工であれば、チーム作業において他の労働者を援助すること、欠勤した労働者の埋め合わせをすること、ラインのほかの場所で生じた欠陥に対してもその場で対処すること――等が可能である。多能工には、専門能力を有することはもとより、前後の工程に関する知識や、判断力、指導力、仕事の変化に順応できること――等が求められる。多能工は、また、基礎理論の把握のみならず、応用力、適応性、調整力等を身に付けている必要がある。
●最近では、ホワイトカラーなど生産現場の労働者ではない人々に対しても、「マルチスペシャリスト」という言葉を使うケースがある。また、インターネットなど情報技術の発達を背景とした社会の変化から、ライフスタイルとして、“二つ以上の職業を選択し活躍する”という生き方も現れている。情報を仕入れるコストはどんどん下がっていくので、1人の人間に対する刺激が増大し、かつその先にある知識の習得も容易になってきていることから、マルチスペシャリストとしての生き方が可能になっている。
■関連用語
キャリア開発
技能伝承
技能教育