公開日 2008.01.15 プライスウォーターハウスクーパース株式会社
●ケースメソッドとは、ハーバード大学で採用され、その後多くの企業のビジネストレーニングの場で活用されている訓練技法である。
●受講者は、様々な観点から経営状況が書かれた複雑なケース(事例)を読み、情報を整理/分析し、絶対的な解は必ずしも存在しないテーマに関して、当事者の立場に立って意思決定を行ったうえで、今度はグループ討議の中で「自分はどのような意思決定を行ったのか」、「それはなぜなのか」を徹底的に議論する。
●メリットとしては、
①実際の事例から解決策を考えていくような、演繹(えんえき)的な経験をさせることで、問題の形成・把握・分析能力を啓発できる
②他者と意見をやり取りすることから、自分にはなかった観点に気づくことができる
③答えのない問題に取り組むことで、自由な発想力を啓発できる
――などがある。一方で、知識学習としてみると、個々の事例に関連する個別的な知識・観点しか獲得できない、というデメリットもある。
●ケースメソッドを主導するコーディネーターは、訓練すべき主題を想定してそのケースを取り上げる。したがって、コーディネーターは、受講者が型にはまらずに自由に討議できるよう促しながらも、予定されている訓練の主題が参加者に対して有効に課されるよう、ケースを誘導する役割があり、該当領域への深い知識が必要とされる。
●近年では、受講者の実践的な思考力向上をねらって、幹部職候補や管理職向けのトレーニングでよく活用されている。
■関連用語
管理職研修