技能伝承

公開日 2010.12.15 プライスウォーターハウスクーパース株式会社



技能伝承とは、企業の生産活動・サービス活動において、社員個人の身に付いている作業方法等のスキルを後継者に伝えていく仕組みや取り組みのことである。

●上記のような生産活動・サービス活動におけるスキルを職業能力としてとらえると、大きく「技術」と「技能」に分けられる。

技術は、獲得したスキル・技のことであり、個人に付くものだが、(組織内で共有された能力であるため)IT化やマニュアル化により「形式知(けいしきち)」化することが比較的容易である。その意味で、組織内で共有された能力となり得る。

●一方、技能は、技術よりも質・量・深度的に高度なものであり、「暗黙知(あんもくち)」としての性格ももつ。組織的に保持する能力というより、個人が経験と勘により身に付けていくものである。したがって、「形式知」化し、伝承することが難しい。なお、技能を伝承していくに当たっては、その技能保有者がいるうちに、可能な限り業務の可視化、図表化、言語化(マニュアル化)しておくことが有効である。

●近年では、団塊の世代の大量定年退職に伴い、団塊の世代のもつ技術・技能が職場から失われ(いわゆる「2007年問題」)、企業の競争力にも大きな影響が出始めており、各企業も技能伝承の取り組みに努めている。


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