公開日 2010.12.05 プライスウォーターハウスクーパース株式会社
●バランス・スコアカード(バランスト・スコアカード)とは、企業の戦略を評価し、管理・向上させることを目的とした概念であり、実質的には経営管理システムの一つである。
●ハーバード・ビジネス・スクール教授であるロバート・キャプラン(Robert S. Kaplan)教授とデビッド・ノートン(David P Norton)により、1992年の『ハーバード・ビジネスレビュー(Harvard Business Review)』誌に、その概念がはじめて掲載された。その後、米国大手企業で全社的に導入され、現在でも世界で広く使用されている。
●運用については、会社の戦略(方針)を、①財務、②顧客、③業務プロセス、④学習と成長の四つの視点(企業によっては独自の視点を追加することもある)による指標で設定し、戦略的な目標設定と管理による経営を実現させることをねらいとする。つまり、この四つの視点で「バランスの取れた」という語意である。
●バランス・スコアカードはマネジメント用語であり、人事的観点では、主に社員教育・人材育成への関連性が高いものだと思われがちであるが、実際の運用では、目標管理の形で各社員の当期目標の設定等を通じて、人事評価への落とし込みがされるので、人事評価にも大きく関連するものだといえる。
●経営戦略・方針を測定可能な目標に変換し、個別の行動や目標管理に落とし込むことは、日本でも「方針管理手法」(PDCA)や「目標管理制度」(MBO)などで長く実施されている。
このように、実質的にはバランス・スコアカードと同様のシステムを持ちながら、その名称が使われていない場合もある。
■関連用語
人事評価(人事考課)
業績評価
目標管理