相対評価

公開日 2007.12.13 プライスウォーターハウスクーパース株式会社



●人事評価における相対評価とは、被評価者の業績・能力等が集団の中でどの位置に属するかを相対的に分布させる方式を指す。母集団がある程度の規模以上のグループで、ある項目を測定した場合、「結果の分布は平均の値を中心にした正規分布になる」という統計的考え方に基づいている。

●例えば、評点がA~Eの5段階評価の場合、Aは10%、Bは20%……等と集団の中における割合を設定して、運用する。

●絶対的な基準をもって行う評価(絶対評価)よりも、被評価者グループで優劣をつければよいため、
 ・評価が比較的容易である
 ・A~Eの割合が設定されているため寛大化傾向などが抑制できる
 ・賞与などの原資が決まっている場合にも運用しやすい
 ――等のメリットがあり、多くの企業で使用されている。

●ただし、被評価者グループ内での優劣比率を満たさなければならないので、比較的能力・業績に差がつきにくい集団の中で評価する場合は、適した(公平な)方法とはいえない。

●また、優秀な者が多いグループとそうでないグループがある場合など、グループ間では評価基準が一定せず、不公平になる場合がある(例:第一営業部は優秀な人材が多いが、第二営業部ではそうでない場合に、成果を上げなくても第二営業部では高い評価を受ける社員が出てくる――等)。


■関連用語
 人事評価
 寛大化傾向