職務給

公開日 2010.12.05 プライスウォーターハウスクーパース株式会社



●職務給とは、職務に求められるノウハウや問題解決能力、責任範囲等によって決定する給与である。

●従来の米国型の職務給は、職務グレードごとに、対応する給与が細かく分かれていたが(シングルレート方式[注])、これらを大くくりにまとめ、従来よりも広い等級や報酬の幅を持たせている。

●したがって職務給では基本的に定期昇給という概念がなく、同じ職務を担当している限り職務給金額の上昇はない。この点で、同じ職務を担当していても、職能給では能力という個人属性により給与が上がる余地があるが、職務給ではそれがないので人件費の高騰を抑えやすいといえる。

●その反面、職務定義を明確にする必要があるため、組織変更に合わせた再定義等のメンテナンスに労力がかかる。異動(ローテーション)は行いにくく、昇格しない限り昇給しないため社員のモチベーション維持に難点もある。

●なお、わが国では、職務等級を採用した企業の中にも、従来の終身雇用を前提に社内でさまざまな職務を配置転換させてきたことから、同一等級に留まっていたとしても毎年一定範囲内で金額が変動するレンジ給方式を採用しているところも多い。

[注]シングルレート方式:単一型の賃金のこと。職能資格あるいは職務給ごとに単一の賃金(賃率)を設定する方法(反意語:レンジ・レート、範囲型の賃金)。

■関連用語
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