時間外労働の上限基準

公開日 2007.10.05 プライスウォーターハウスクーパース株式会社



●使用者は、36協定の締結および届出をすることによって、労働者に法定労働時間を延長して労働させることが可能となる。ただし、延長することができる時間にはその上限が規定されている。これを時間外労働の上限基準という。

●労働基準法36条2項では、「厚生労働大臣は労働時間の延長を適正なものとするため、労働時間の延長の限度その他の必要な事項について、労働者の福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して、基準を定めることができる」としている。また、1年単位の変形労働時間制により労働する労働者については、より短い限度時間が定められている。

●なお、事業・業務によっては、限度時間になじまないなどの理由により限度時間は適用されない(図表参照)。

●労使は36協定で定める延長時間を当基準に適合させる必要がある(延長時間がこの基準を超えていた場合、直ちに無効とはならないが、労基署より強く改善指導されることが想定される)。

●なお、限度時間を超えて労働時間を延長しなければならない「特別の事情」が生じた場合は、労使当事者間において、一定期間、限度時間を超える一定の時間(「特別延長時間」といい、限度時間は労使当事者の自主的協議に委ねられている)まで労働時間を延長することができる旨を協定すれば(この場合の協定を「特別条項付き協定」という)、その期間についての延長時間は、限度時間を超える時間とすることができる。


■関連用語
 36協定