公開日 2011.03.01 和田東子(HRDジャーナリスト)
タレントマネジメント(たれんとまねじめんと)
人材(Talent)をマネジメントする意味であり、経営戦略を実現し、組織に貢献する人材を採用、育成、定着化させる一連の活動のこと。
タレントマネジメントのコンセプトは、1997年にマッキンゼー・アンド・カンパニーが発表したレポート「The War for Talent」で示されたのが最初である。このレポートでは人材こそが企業の価値を生み出すものであり、グローバル市場において優秀人材(Talented person)の争奪戦が起きていること、その獲得と定着化に成功した企業が競争優位を獲得すると述べられている。
当初のタレントマネジメントの重点はハイパフォーマー(エグゼクティブ)にあった。彼らは高額な報酬だけでは定着化は難しく、優秀人材の内的動機づけを強化し、企業への帰属意識を高める諸施策が重要だと指摘された。
その後、経営幹部の社内育成や、中間層強化の重要性が認知されたことなどを背景に、従業員全体を対象とした、人事・人材開発戦略をカバーする言葉へと変化してきた。
人材開発を支援するアメリカの非営利団体ASTDは、①組織の潜在的可能性(Capacity)、②能力・才能(Capability)、③組織文化(Culture)、④エンゲージメント(Engagement)の4つの観点から、8つの支援を提供するフレームワークを提唱している。
■参考文献
『ウォー・フォー・タレント』Harvard Business School Press(翔泳社、2002)
『The New Face of Talent Management』ASTD Press